仕事におけるフィードバックの重要性
フィードバックという言葉はビジネス書でかなりよく見かけられるものです。
もともとこの「フィードバック」は一時期ビジネス書として大ブームになったピータードラッカー博士が提唱した「フィードバック分析」という方法がもとになっています。
本来的な意味でのフィードバックは自分自身を分析するためのものであり、これからの自分の生き方を明確にするために行うものとされてきました。
具体的な手法としてはまず「自分が今やっている仕事」や「これから始めようとしている仕事」を書き出し、その間を埋めていくということをします。
簡単にまとめれば、将来なりたい自分像に近づくためまずは現状を把握し、そこから小さな目標を作って最終的にゴールに至れるようにするということです。
ピータードラッカー博士本人もこのやり方を50年以上も続けていったとされており、仕事だけでなく生き方そのものについても考え直すための有効な手段とされています。
一方で現在ビジネスの現場で使用されることが多いフィードバックですが、これは自分だけでなく上司や部下に対して行うものまでが含まれています。
何らかの仕事をしたときには必ず次につなげるべき点と、逆に次に失敗しないように気を付けるべき点というものが出てくるものなので、それを第三者的な目でまとめ伝えるということが主な手法です。
ハーバード流のフィードバックとは何か
ビジネスにおける他社からのフィードバックの方法についてまとめたのが、ハーバードロースクールの講師であるダグラスストーンとシーラヒーンの二人がまとめた「ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業」という書籍です。
こちらでは実際にハーバード大学で行われている個々人への意見を効果的なフィードバックによって行うことができる方法をまとめています。
この本によるとハーバード流のフィードバックは「感謝」「指導」「評価」という三段階で行うものということになっています。
つまり自分が他人の仕事や行動を見たときにするアクションとしては「感謝を示す」「良かった点・悪かった点を指摘する」「最終的に良かったか悪かったかを判断する」という三つがあるとしているのです。
これは冷静に行うこともあれば、単に感情的に行うこともあります。
感情的なフィードバックを行うのはその人の思考方法に何らかのよくないクセがついているということでもあるので、そこから考え直すようにするということがこの本では進められています。
非常に奥の深い内容となっているので興味のある人はぜひ直接読んでみることをおすすめします。
他人からの意見を素直に聞く耳を持つ
フィードバックというとなんだか難しいことのようですが、現実においてはもっと簡単な他愛もない一言であったりします。
「あの仕事をやってくれてありがとう。でもできたらもう少し書類を丁寧に扱ってほしいな」といったようなやり取りは、仕事だけでなく家庭生活などではありふれた会話の一部となっていることでしょう。
フィードバックで大切なのは、自分の方ばかりが評価者となって上から目線で指示指導をするのではなく、相手からのフィードバックを同じくらい尊重し素直に耳を傾けるというものです。
仮に非常に感情的なフィードバックを受けたとしても、その原因となる事例はお互いの人間関係や自分の言動に理由があるということもよくあります。
一見意味のないフィードバックにこそ自分自身の仕事に大きな気づきを与えてくれる要素があるという謙虚な姿勢は保っておきたいところです。