増えるロボット店員の働くお店
2015年に神奈川県にあるソフトバンクのお店でPepper(ペッパー)という人型ロボットが勤務することになったというニュースが大きく報じられました。
しかしほどなくしてそこで勤務していたペッパーに対し、酒に酔った男性が腹を立てて暴力をふるい器物破損事件を起こしたということもまた大きなニュースとして伝えられています。
このペッパーという人型ロボットが人間の代わりに業務を行うということについては、今後の労働環境を大きく変えるきっかけになるものとして海外からも大きな関心を向けられていただけに大変残念なことであったと思います。
なおペッパー暴行事件については犯人の男性が腹を立てた理由はショップ内のスタッフであり、たまたま近くにあったペッパーに八つ当たりをして壊したというふうに言われています。
あまり知られていませんが実はこうしたロボットが勤務をするお店で暴行を加えられるという事件は米国でも発生しており、今後はロボットを使用したお店が増えていくことが予想されるためこうした事件にどのように対応していくかという力が求められます。
ここまで進んだ人型ロボットの技術
今日本国内で急速に研究が進められているのがロボット開発の分野です。
鉄腕アトムやドラえもんなど、昔から人工知能を持ったロボットが活躍する作品に触れてきたという下地もあるのかもしれませんが、以前より人型ロボットを作りたいという意識を持つ研究者は非常に多く、政府もその動きを支援する体制をとっています。
大きな目標としては2020年の東京オリンピックに備えてロボット開発を進め、ロボットのオリンピックを開催したいということも掲げているようです。
ロボット産業にあまりなじみのない人たちにとってはこのロボリンピック開催は荒唐無稽な夢物語のようにも思えるところですが、具体的な目標がある分開発のスピードはここ数年で急激に加速していくことが予想されます。
その先駆けとして今広く現場利用が進んでいるのがペッパーで、人との会話ができるというだけでなく、会話を重ねることで新たに知識を蓄積しときにユーモアを交えた返答ができるようになっているのが特徴です。
既に展示会やテストでペッパーへのインタビューをした記事も多く存在しており、本当にロボットなのかと疑うほどに気の利いた応答をしている様子が伝えられています。
今後10~20年で世界の様子は大きく変わる
オックスフォード大学の研究によると、今後10~20年の間にロボット開発が進み、現在存在している仕事のうち半数程度がロボットや人工知能によって補われることになると言われています。
これはロボット産業が発展するということと同時に、私たち人間の仕事の仕方も大きく変わっていくということを示しています。
人間にロボットがとってかわるということ自体は喜ばしいことなのでしょうが、だからこそ人間は今後どのようにロボットと付き合っていくか、どんな仕事をしていくかということを真剣に考える時期に来ているといえるでしょう。