株式市場の活性化により業績向上
証券業界は安倍晋三政権によるアベノミクスで最も恩恵を受けた業界と言ってもいいでしょう。
日経平均株価は安倍政権誕生当初より急激に高まり、それに連動するように個人投資家も数多く証券取引に参加をするようになりました。
株式売買の拡大はそのまま証券会社の取引手数料に還元されていきますので、ここ数年で苦境に立たされていた証券会社は軒並み業績を好転させました。
アベノミクス以前までは地方の中小証券会社などはどうすれば生き残ることができるかと経費削減に汲々としてきただけに、この好転はまさに劇的な転換と言えます。
しかしながら今後も同じように日経平均がずっと高止まりを続けていくという保証はなく、今後は再び証券市場が不況となったときにどのように対応をしていくかということが各証券会社に問われています。
すでにアベノミクス実施による証券市場の活性化の原因は金融庁手動のものでしかく、実際の内需拡大など国内景気の工場に結び付けることができなかったというところに失敗があるという分析もなされているところで、今後の構内の市場の動きに注目をしていく必要があります。
アベノミクスをけん引していたのは外国人投資家
そんな株式売買の活性化の内容分析を裏付けているのは「投資主体別売買動向」というどういった人が実際に株式を購入していたかという調さです。
この「投資主体別売買動向」はネットや経済新聞などどこでも手に入る情報となっているので、自分でも株式取引をされる人は詳しくチェックをしておいてもらいたいところです。
具体的には株式を売買したのが、投資信託か、事業法人か、はたまた金融機関によるものかということがわかるので、今の株価上昇が何を根拠にするものかということがよくわかります。
中でも注目したいのが外国人投資家の動向で、2012年ころからこの動向を追っていくと株式市場をけん引していたのは外国からの投資マネーによるものであったということがわかります。
アベノミクス実施後最も急激に株価の上昇があったときに外国人から投資に向けられた金額は約17兆円、国内の個人投資家は約10兆円となっています。
外国人投資家の場合参入のスピードも速いですが、国内の細かな様子が伝わらない分、マイナス材料が報道されるとすぐに逃げ出されてしまうというところに問題があります。
言い換えれば、今後政権の変化や懸念材料の公表により一気に元のような株式市場に戻ることが考えられるということです。
ですので目先の業績が好調だからといってずっと証券業界が好調と考えるのは厳禁です。
手数料収入に頼らない長期保有が今後のメイン
そのような将来的な危険性は証券業界は十分に理解しているところです。
そのためこれまでのような株式取引一回ごとに発生する手数料収入に収益の大半を頼るような運営はやめ、逆に投資家たちに長期保有を促すための金融商品を多く提供する流れになってきています。
これは長期に保有するようになればその分証券会社内に保有できる資金が確保できるということを狙ったもので、一つずつの金融商品の信頼性を高めることもできます。
しかしながらこうした証券会社の努力も結局は市場活性あってこそのことなので、今後も国内外の政治的動きには十分に注意していきたいところです。